テトラポットの上

荒井コウスケさんのブログリスペクトです!目標はブルーハーツ全曲解説!

月の爆撃機

かなり更新をさぼっておりました。
自分の乏しい言葉でTHE BLUE HEARTSの魅力を
表現するのは難しいのですが…いつか誰かに届き、
「へえ、聴いてみようかな」に繋がることを願って。

今日紹介したい『月の爆撃機』は私がブルーハーツ
の中でも一番好きな曲です。もちろん一番なんて
難しいし、選ぶのもナンセンスなのですが、でも
やはり一番好きです。

一言で言うと、「人生の勝負の時」の歌だと思いますし、
また、その時の張りつめた気持ちや孤独を歌っている、
そう思っています。

超名曲でファンの間でも結構人気が高い歌なのですが、
何故かシングルはおろかベスト盤にも収録されて
いませんでした。ようやく2015年に発売された30周年
記念のベスト盤に、万を辞してこの曲が入りました。
『僕の右手』や『歩く花』も入っており、
かなり勧めやすいベスト盤になったと思います。

最初のフレーズ、「ここから一歩も通さない」は、後に
出てくる爆撃機コクピットのことでしょうか。
もちろん、精神的な領域を言っているのかもしれません。
友達も恋人も入れない、という歌詞は、
大切な人にも頼れない、頼ってはいけないという決意
にも聞こえます。

そして何度も出てくる、
「手掛かりになるのは 薄い月あかり」
というフレーズ。
薄暗い、かろうじて見える月の光が頼りという
不安で心細い状況であることが伝わって来ます。

次の一節、興味深いと思いませんか?
場面が変わり、逃げ惑う人々の目線になっています。
主人公の爆撃機は「伝説の爆撃機」と呼ばれていて、
恐れられているようです。
「どんな風に逃げようか すべては幻と笑おうか」
実にヒロトらしい言い回しですが、
ここは自分の勝負、あるいは挑戦により傷付く人が
いる、あるいはいるかもしれない。
それでも勝負を降りる訳にはいかない、
という決意のように解釈しています。

そして場面はコクピットへ。
白い月を背景に飛ぶ爆撃機のシルエットが想像
出来るでしょうか。
そしてまた興味深いのは、
「僕は今コクピットの中にいて」
が、次には
「錆びついたコクピットの中にいる」
とわざわざ言い直されていることです。
伝説の爆撃機と言われたこの爆撃機も、
決して無敵で安心出来る乗り物ではないことが
読み取れます。

そして「いつでもまっすぐ歩けるか」の
最後の一節。ここも暗がりで一歩間違えると
大変なことになるかもしれない緊張感が
伝わって来ます。そしてそのような状況でも
最終的には頼れるのは己のみ、という
この歌のテーマが繰り返されているようです。
真島さんのギターも超かっこいいです。
是非聴いてみて下さい。

ラブレター

ブルーハーツの数少ないどストレートなラブソング。
3枚目のアルバム収録曲で、かつ7枚目のシングル曲です。

本当ならば今頃 僕のベッドには
あなたが あなたが あなたが いてほしい

今度生まれた時には 約束しよう
誰にも邪魔させない 二人のことを

この文章から私はこの恋は叶わなかった恋だと思って
います。可能性のある恋であれば、「今度生まれた時」
の話などしないでしょう。

読んでもらえるだろうか 手紙を書こう
あなたに あなたに あなたにラブレター

果たしてこのラブレターは届くと思って書いている
のだろうか、という疑問が沸きます。
もしかしたら読んで貰えないことを承知で
手紙を書こうと言っている、あるいは書いている
そんな気がしてしまいます。

ザ・クロマニヨンズの『鉄カブト』という曲を
連想します。この歌は

届かない 手紙を書く

という強烈な出だしで始まります。
手紙というものは普通読まれる前提で書くものですが
届かないと思いながら書く手紙ほど哀しいものは
ないですよね。

新しいステレオを 注文したよ
僕のところへ 遊びにおいで

今度生まれた時の愛を語った人が、
「ステレオ買ったからおいでよ」
なんて手紙を本当に書くとは思えませんね。
届かない手紙の中の、
こんな会話をしたい、したかったという
空想の話かもしれません。

最後はストレート過ぎてとてもコメント出来ません。

ああ ラブレター 百分の一でも 信じて欲しい

他の誰にも言えない 本当のこと
あなたよ あなたよ 幸せになれ
あなたよ あなたよ 幸せになれ

休日

ブルーハーツのラストアルバム、『PAN』から。
ブルーハーツと言ってもこのアルバムはソロ活動の
寄せ集めであり、別物と言っても過言ではないと
思います。名曲『歩く花』は大好きでよく聴きます
が、河ちゃんの曲が多く個人的にはアルバムとして
聴くことは殆どありません。

そんな状況で、この曲も存在は知りながらあまり
聴き込んでおらず、曲の良さに気付いたのは比較的
最近です。平凡な日常を歌った歌でありながら、

いつの日か この町を出て行く 僕らだから

出だしのこのフレーズは、荒井さんも書いている
通り、時期的にやはり『解散』を意識せずには
いられません。悲しい歌詞は全く出て来ないのに
なにか物悲しいものを感じてしまうのは、背景を
想像しているからでしょうか。

おだやかな日に 風が吹いて
おだやかな日に 列車に乗る

キリンの顔の クレーン車と
カーテンが吹く トランペット

真島さんらしい気の利いたフレーズ。好きです。
イメージは、春の終わりか、初夏。

なにもかもいろんな事を お日様のせいにして
ぼくはボーッとしてる

ここは荒井さんの解説と同じ解釈です。
blueheartsallsongs.seesaa.net

河原で釣りをしてるおやじ
おやじと僕が入れ替わる

野原で野球してる子供
子供と僕が入れ替わる

列車の窓から、それぞれ休日を楽しんでいるみんなを
見ていて、自分を重ね合わせているということだと
思っています。

あとは、歌詞の繰り返し。

初期のブルーハーツに特にありがちな、世の中(権力)
への反抗的な感情も、飢えも情熱もこの曲から
はあまり感じられません。歌作りすら一休みして
休日に何をするでもなくボーッとしていることを
歌った、素朴なこの曲もまた真島さんらしいと私は思います。